2012年2月10日金曜日

豆まきの後

2月3日、節分に豆まきをするのが恒例の行事だ。
「鬼は外、福は内」で豆をまくと、家中が豆だらけになる。その豆を掃除するかのごとく全部食べてくれるのが、愛犬ケニーだ。一年に一回のことなのにしっかりと覚えていて、豆をまこうとする私の前に立ちはだかり「早く、早く、食べたいよ~」と言わんばかりだ。

しかし、今年の節分は悲惨だった。

きっかけは豆まきより数日前、東京も今年の寒波に震えあがるような日々が続き、夜の散歩も体の芯から冷えてしまった時だった。この犬も10歳を越え、人間なら60歳代というところだろう。にも関わらず、私は30分のスロージョギングにつき合わせた。普通なら15分も走れば暖かくなるのに、その夜は本当に冷えた。帰宅した後、あまりの冷えに私は下痢になってしまった。
そして深夜、ケニーの様子がおかしい。いつもは丸くなって寝てしまう時間なのに、誰かが動く度に何かを訴えるように着いてくる。仕方ないので外に連れ出すと、酷い下痢を起こしていた。
犬だって同じように冷えるのだ。

しかし、私はこのことをすっかり忘れていた。

「豆くれ~、豆くれ~」とばかりに飛びつくケニーに「福は内」と豆をまいた。
ケニーが私のまいた豆を全部食べたのは当然のこと、私は「部屋を掃除しなくて済んだ。」とさえ思った。

その後、ケニーの下痢はぶり返し、獣医から貰った薬を飲ませた。
一日絶食もさせてが、その後も良くならない。もはや夜もゆっくりと休めない。寝床のそばに鍵をポケットに入れたダウンジャケットを置き、靴下を履いて寝る。玄関には水入りペットボトルの入ったお散歩バッグを置く。いつでも出かけることが出来るように戦闘態勢だ。

深夜、丸くなって静かに寝ていたケニーがガバッと起きる。まるで「トイレに行きたいよ~。早くー、早くー」と言う子供のようだ。そんな調子で朝まで3回も外に飛び出した。

極寒の人通りもない深夜、犬にリードを引っ張られながら水ボトルを持って走り回る私。深夜営業のタクシーから見ても、きっと変な光景だっただろう。

あ~、来年の節分からは「エアー豆まき」にしよう。と、心に決めた。


0 件のコメント:

コメントを投稿