2013年2月1日金曜日

傷口には目と鼻(put two eyes and a nose above the cut)

今日は父の経管栄養のNGチューブ(naso gastric tube)を交換した。

飲み込む力が無くなってしまった父にとって栄養のチューブは命綱なのだが、
飲み込む力が無いがために交換するのも本当に大変だ。
1ヵ月ごとのチューブの交換は本人にとっても辛いものだ。

訪問看護師さんもいつもかなり苦労している。
今日はなんとか一回でうまく出来たので、看護師さんも私も一安心。

私が父と同居し始めた時は、まだ父は元気でスポーツクラブに行っては1日1000Mの水泳をすることもあった。「死ぬ時はポックリ死にたいなぁ」なんて言ってた父にとって、今のこの状態は喜ばしいことではないだろう。

父が寝たきりにならないようにと、デイサービスを利用したり私なりに努力してきたつもりだったが、その甲斐もなく今は老人介護に明け暮れている。

とは言えどうやって死ぬかなんて(自殺でもないがぎり)選ぶことなど出来ない。
若い頃には想像もつかなかった人生の最期にむけて、死ぬと言う作業もかなりの労力がいるって、悟った。
誰もが絶対一回は死ぬわけで、自分が死ぬ立場になったら多かれ少なかれ誰かの世話にならずにはいられない。

1年前には想像もつかなかった(と、言うより考えたくなかった)ことが現実になって、この生活のペースを掴むのにかなりの時間がかかった。

その間も父は日に数分覚醒するだけで、殆ど寝ている。

「あ~疲れた。寝不足だ~」などと言うと、他界した義母の口癖を思いだす。
「死んだらずーっと眠れるんだから(怠けるな)」
父はきっとゆっくりと休みながら最期の道をたどっているんだな、と思うようにした。

だから、介護は「親孝行」だのと真剣に思わず、別にプレッシャーを感じることなく淡々とこなして行けばいいだけのことなのだ。

よく包丁で指を切ってしまった時など、その傷口が面白い形をしているので目と鼻を書いてみる。
痛みは変わらないが、ちょっと愉快。

おじいちゃん、ゴメン、今日も私はおじいちゃんをネタにしている。




1 件のコメント:

  1. 中野のおばあちゃんのは、名言だね!
    きょうもご苦労さん!おじいちゃんによろしく(^o^)

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